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本日も順調に誤作動中

ASD.1980年生まれ東京都在住。

市川拓司著「ぼくが発達障害だからできたこと」を読んで

市川拓司著「ぼくが発達障害だからできたこと」を読んで

発達障害の本というと、診断基準とか、一般的な特徴、親が注意
すること、やっていいこと悪いことなどが書かれている本が一般
的だが、本書は、発達障害の当事者が、自分の主観で障害につい
て、感じていることや思っていることを書いているのが珍しい。
そして、自分と同じだ!という感覚がたくさん詰まっていて、び
んびんインスパイアされた。

特に、医師で発達障害者当事者でもある星野仁彦先生が寄せた解
説の一節がとてもそうだ!と感じた。

”市川氏の「自分も同じ障害を抱えていますが、それでも前向き
に頑張って社会に貢献することができるという明るい希望を社会
に示したい」という言葉に、私は大変感銘を受けました。”

(その通り。僕も社会に明るい希望を示したいと思ってます。
でも、社会に貢献しなくてはいけないという意識が強いあまり、
障害を持っている自分としてではなく「普通」になろうとして社
会に適応しようと努力して、心身ともにすり減らしてしまう人が
たくさんいる。僕も長い間、そうだった。最近思うことは、自分
はもともと社会性がない、社会性が身につかないような脳の構造
になっているんだってこと。それなのに、男子校の上下関係の厳
しい体育会系の部活に入ったり、プライドの高さもあって、自分
は社会適応力が高いと思っていた。けれど、それってめちゃめち
ゃ自分が強がって無理をしていたんだよね。
今は、社会性がなくて、いつも昼間は1人でご飯食べたり、みん
な忙しいときでも、他人のペースに巻き込まれてパニックになる
のを防ぐために、ふーっと一息いれようと、ふらーっと外に出て
小休憩したりしている。
そういえば、幼い頃、僕が妹とよく家で兄弟げんか(というか、
妹をいじめていた)していたとき、母がいつも間に入る一方で、
父は、ふらーっとどこかへ出かけていたっけ。きっと、父も社会
性がもともと低くて、自然と自分のコンディションを守る方法を
直感的に身につけていたのかもしれない。)
”「多様性こそが大切」「ひとと違っていることは『間違ってい
る』と言われ続けたら、たいていの人は『ああそうなんだ。自分
は間違った駄目な人間なんだ』と思ってしまうはず。でもそれは
ちっとも真実なんかじゃなくて、本当は多様性こそが大切なんだ
」というのは同じく発達障害者である私も普段から考えているこ
とです。

生物学的多様性とは多少難解な言葉ですが、簡単に言うと、地球
上の生物がバラエティに飛んでいること、つまり複雑で多様な生
態系そのものを示す言葉です。
これには生態系の多様性の他、種の多様性、遺伝的多様性も含ま
れています。一見したところ当然で当たり前のことのように見え
ますが、実は地球全体の環境にとっても、一つ一つの種の生存に
とってもきわめて重要なことなのです。
(僕は、以前から、ひきこもりやニート生物多様性の観点から
重要だと思っていた。この話をするときには、働きアリの話をす
る。ものすごくよく働く「働きアリ」は、集団の中の約2割に限
られている。残りの6割は普通に働いていて、約2割はぜんぜん
仕事しないそうだ。では、一生懸命働く2割の働きアリだけを集
めたらどうなるかというと、また、2(一生懸命):6(普通)
:2(怠惰)で分かれる。同じように、ぜんぜん働かない2割の
アリだけを集めても、同じように2:6:2になるという。
何でそうなるかというと、急激な環境変化が起きても、集団が全
滅することを防ぐためではないかと考えられている。
一生懸命働く2割の働きアリが、外で全滅しても、残りの8割の
アリがまた、2:6:2に分かれれば、以前と同じような集団を維持
できる。
それから、腸内細菌の話も興味深い。腸内細菌には、善玉菌と悪
玉菌がいるが、なぜ善玉は悪玉を全滅させないのかという話しだ
。悪玉が優勢になりすぎると、善玉が活動し、悪玉を押さえつけ
ようと働き、健康を保とうとするのはなんとなく分かるが、逆に
善玉が優位になりすぎると、今度は善玉菌の一部が悪玉に変身す
るのだという。
善玉とか悪玉ってそもそも人間が勝手にネーミングした概念で、
人間という巨大組織が生命活動を維持していく上では、悪玉も一
定数が必要なのだ。同じように、ひきこもりもニートも、うだつ
のあがらない社員も、障害者もひとつとして無意味なものはない

”植物の一種のジャガイモを例に挙げます。原産地は南米のアン
デス山脈です。ジャガイモには、数十種類の多様性があって、合
っている気候、病気への抵抗力、生産性が種々多様なので、ある
種の条件で全体が絶滅することは決してありません。1492年に
コロンブスがアメリカ大陸を発見した後に、ジャガイモはやせた
土地でもたくさん収穫できるため、ヨーロッパに輸入されて栽培
されました。ところがスペイン・ポルトガル人は多数のジャガイ
モのうち、生産性の高い4~5種類だけをヨーロッパに持ち込みま
した。その結果、19世紀にジャガイモの疫病が流行り、疫病に
弱かったジャガイモだけを主食にしていた貧しいアイルランド
は何百万人もの人がアメリカ大陸等に移住しました。いわゆる「
ジャガイモ飢饉」です。

植物でも動物でも生産性、収益性など一部のことのみを優先する
と、大きな気象変動、疫病、戦争などの聞き状態で主の絶滅につ
ながることが示唆されています。種全体の絶滅を免れるためには
「生物学的多様性」が不可欠なのです。”

(まったく同感だ。)